知る人ぞ知る園田健一氏が唯一の漫画、「砲神エグザクソン」の最終巻です〜。

主人公の砲一が、他星系から来訪した宇宙人、リオファルドの地球侵略を防ぐため、巨大ロボットを駆り戦うお話です……が。

よくある子供向けロボットアニメのような、勧善懲悪、物理的に説明の付かない必殺技とか出てくるようなフィクション的様相はなく、リアリズムに富んだ内容で、むしろ大人向けのお話でありました。
(別に18禁じゃない……あ、いや、ちぃとそれに属するのもあるけど)

ナノテクノロジーによるアンドロイドやウィルス(物理的なもの・コンピューターソフトの両方)の精製、ハッキング・情報操作、反物質の存在。

戦闘時におこる質量のあり方、電磁波・衝撃波の発生。
その時の被害描写。

戦略・軍事バランスの表現、個人の意志や動機でだけでは括ることの出来ないその範疇などなど、確かに子供ではとても理解の追いつかない内容の連続だったと思います。

未来の戦いのあり方を知るには結構勉強になるお話じゃないのでしょうか?

…で。
最後にはとうとう、地球戦力の要であるエグザクソンは大破し失われつつも、何とか敵のリオファルド首相戦艦を討ち果たし、砲一は見事帰還した訳ですけど…。

地球にて無事残った人類、物理的にも立場的にも母星への帰還が果たせなくなった残留リオファルドとの、微妙な共存関係が出来上がったりして、今後も語られるべき問題を山積させつつも、このお話は終わりました。

……というか、タイトルになっている肝心のエグザクソンがなくなってしまったら、まあ終わらざる得ないですわね。(^^;

最後に印象的だったのは、作中、主人公の味方側としてサポートしていた女性が、基地を敵に侵入された際、首部分のみ死んでしまったシーンがあるんですよ。
残った首下の身体とそのお腹にいた子供は助かり、その後首上のみ、ナノテク精製された疑似人格アンドロイドによって女性は生き続けています。
生まれた子供は、乳を与えている母親の正体が…首上のみ自分の母親ではないことを、幾ばくの時を経てから知ることとなるんでしょうねー…。

最後の最後まで、物事の微妙なあり方ってのを考えさせられる作品です。

………。
にしても、園田氏の絵柄って、CGグラフィックス着色にかなり向いている絵なのに、未だアナログ着色なんだよなー…。

次回作で「ガンスミスキャッツ」既に復活連載してるけど、これを機会にCG着色、挑戦して欲しいなあ。

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