銃夢Last Order 5 (5)

2004年3月21日 読書
学生時分からこの漫画に傾倒しているのだけれども(10年以上前から…)、一時完結したこのお話、装い新たに、もうひとつの「その後」の物語として現在も続いていたりする。

当時、ザレムによって主人公ガリィは走狗として戦っていた。
そして。
その後継と地上の反乱分子鎮圧増強のためのレプリカとして生を受けた(生という表現はそぐわないかもしれないけど)12体のアンドロイド…。

そのうちの1体、6番目のレプリカ「ゼクス」が今回の表紙です。
(ちなみに1体はガリィとの戦いで、もう1体は馬借の乱時に、エルフ、ツヴェルフを除く残りはゼクスの手によってお亡くなりになっています…)

戦いの中に己の存在意義を見出し、オリジナルであるガリィを倒して、自分のあり方を絶対視するゼクスが、その戦いの中でさらなる疑問にぶつかり、苦悶するシーンは結構見物であり、読む側としても人の生のあり方を考えさせてくれます。

そのゼクス。
ガリィのレプリカだけに、最初は女性の身体でしたけど、やはり口調・性格からしても、本人としては「男」の方が適当だったようで。
ガリィとの対戦時に大破したボディから一新した時のものは、すっかり「のっぽのお兄さん」の身体と化してました。

それにしても…。
もともとゼクスらは、ガリィの「戦闘能力と思考レベルをベースに創られた」レプリカなのですよね。
ザレム人と同じ構造をもつ脳チップをそのまま使っていますから、より一層、ガリィに近い存在だったりします。
(ガリィが陽子だった時代の記憶はないけれど…)

ところが。
ゼクスにしても、エルフ、ツヴェルフにしても、性格がまるっきしオリジナルとは正反対。

ゼクスは豪快&ぞんざいな単純思考の無頼漢。
エルフ&ツヴェルフは常に二人一緒でガリィの性格にはありえない、きゃぴきゃぴーなおなご。
しかもこの二人、戦う時は相手の虚を突いたり、確実に勝てると見込んだ時だけに動くあざとい性格で…。

そう。
見事に性格不一致、全員バラバラなんですよね。

まあ…。
ガリィが復活を果たすまでの1年間、ゼクスはとことん戦いに明け暮れていたからこそだし、エルフ&ツヴェルフは馬借町で歌姫をしていたという経緯あってこそなのだろうけど。

加えて。
オリジナルのガリィでさえ、クズ鉄町でイドに拾われた頃から現在に至るまでに随分性格が変わってしまっていたし、接する相手によって、つい昔の自分に戻ってしまったりするシーンもあったりして…。

結局、環境や時の経過によって、人の性格は変わるといういい例なのでしょうね〜。
毎度、このお話から、そういうのを勉強させられます。(苦笑)

さて…。
現在ガリィは、イェールのシステムにあるルゥの脳を回収(?)するため、そのカモフラージュ的行動として格闘大会にてチーム参戦を果たし本戦へ。
ところが、その第一戦の相手が色々と辛い事情を背負った相手で……。

悲しいかな。
あくまで個人レベルで動くはずのガリィは、毎度ことながら他の者まで大きく巻き込むような事態へとすすんでしまうんですよねー…。

ノヴァ博士が言うなら、「業深きが故に」と喜ぶトコなのでしょうが。
(最近は大佐の亡霊さんが代役ですのう…)
……って、あれ?
そーいや博士は今トリニダートに自身の脳チップを取られてしまっているんだよね。

ガリィらが持ってるのはロスコー君(懐かし…)が持っていた博士の脳チップだから、チップは実質メイン、サブ2ずつの4つということになるのだろうけど、それ以前に、博士が心身の損傷を被って死んでしまった時に発動する再生システムは動いてないのかな?

まあ、トリニダートが事前にシステムを凍結させて、事前に復活を防いでいる…なんていう裏事情があるだろうし、解釈によっては、トリニダートに輪切りにされた博士はまだ「生きている」というレベルでシステムに伝わってるとか……でも、どうだろなあ?
(もっとも、コアな読者は既に何度も突いているトコ何だろうけど)

あ、あとー…。
大佐って、脳は別のトコにあって実はしっかり生きてて、亡霊を装い、ガリィについてまわっている……ってのは深読みかなあ…?
とは言っても、もともとガリィは感受性が強すぎるから、そういう幻影見たりすることもありえるけどね…。

最後に。
読んたこと無い方には、現在連載中のラストオーダーからではなく、一番最初から見ていただくことをお勧めしマス、はい。(苦笑)

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